地球の長い午後

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『地球の長い午後』 (ハヤカワ文庫 SF 224/)
作者: ブライアン W.オールディス早川書房798円
発売日: 1977-01
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同じく古典。良くも悪くも古典。古典SFらしく三人称視点で感情や情景の描写も乏しい。奇想博覧会ではあるけれども、いまの目で見てあまりにも新しくないw 古典(原点)すぎて、プロットやアイデア二次利用され尽くしている。なにかのたびに引き合いに出されて「地球の長い午後」では○○だったが、的な言及をされたりする。例えばインテグラルツリー(太陽を巡るガス雲に覆われた軌道を周回する樹の上に暮らすヒトを描くハードSF)みたいな後発の作品と較べてしまうと、どうしても古典のほうが踏み込みが浅いと思ってしまう。
ただイマジネーションはスゴイ。ネタそのものを知ってはいても、こんな世界を創造してしまったオールディスの発想力にはただ感服。やっぱ野田大元帥のいうとおり「SFは絵」なんだよ。