web 紙の本の物質性をデジタル本は創造できるか?: 老水夫の如く(Author: 本山吉晴/装幀家
「紙の書籍がもっている物質性の再現」には同意しかねる。再現する価値がない。デジタル本という捉え方も狭い。でも言いたいことはとてもよくわかる。

物質としての紙に依存する「本」から分岐してデジタルに移行する「何か」は、もう完全に別のカテゴリになる。
そこでは DTP も紙媒体に特化したものとデジタルハイブリッドに分岐していて、互いに相補関係になるというのが理想。両者共倒れがいちばん悲観的な予想。デジタルハイブリッドの「何か」は、このまま放っておくと中途半端な組版が横行する気がしてならない。出版/印刷と無縁のプログラマが適当に文字を羅列するだけ。
そうなったら今ですら絶滅危惧種の『優秀な DTP オペ』は高コストで使いにくくなりますます生き残れなくなる。ではどうする? 自分たちでデジタルハイブリッドの「何か」にシフトする/シフトできるスキルを身につけるのがひとつの解だと思っている。